しっかりしよう

この前、ロイヤルワラントについて書きましたが、その時にもうひとつ考えたことがあります。それは、ロイヤルワラントの多くが小規模経営だということです。多くが中小企業なわけです。
我国では、最近何かというと中小企業が問題になります。時にはそれを口実にして政策が語られ、政治的に利用されたりしています。しかし、同じ中小企業でも、ロイヤルワラントととは全く違うものです。
ロイヤルワラントを見ていると、小さいことが武器になっているのが分かります。要するに、大企業ではできないことをやっているわけです。大きくてはできないが、小さいからこそできる、小さくなくてはできないものがあるのです。それをやっているのです。
わが国の中小企業の多くは、大企業にぶら下がっていると言っていいと思います。結局、独立した企業ではないのです。経済的に、大企業に利用されているわけで、大企業の都合で、どのようにもなってしまうのです。
この間知ったのですが、ガソリンエンジンの自動車には、3万個くらいの部品が使われているそうです。ところが、電気自動車になると、部品数が1万個くらいになるというのです。自動車会社にとっては、コストカットになるわけです。ハイブリッド車は逆に部品数が増えるのですが、コストカットに逆行するため、近い将来なくなって行くのは目に見えています。
自動車部品の多くは、ネジ1本から、その多くが中小企業で作られています。使われる部品が減れば、それを作っていた中小企業は仕事がなくなってしまいます。また、同じ品質ならば、できるだけコストの低い海外で生産した方がいい、ということにもなります。
このような本質を見ないで、中小企業を救うと言ってみても、何の意味もないのです。今までの産業構造自体がすでに機能しなくなっているのに、それを維持しようとして何になるのでしょうか。この国は今変わらなければならない、と多くの人は感じているはずです。しかし、政治家、官僚、財界はそう思っていないようなのですね。当の中小企業の多くも。
私は最近、この国自体が間違っていると考えるようになりました。工業立国を目指し、工業製品を売って、海外から食料を買う、そういう国になろうとしたことです。国民の生命を維持するための基本である食料を海外に依存する、それを国の方針とするなどという発想自体信じ難いものです。
その時から、この国の独立性は失われ、大国にぶら下がる国になったわけです。中小企業が大企業にぶら下がって成り立っているのと同じです。この本質に目を瞑って、国の安全や安全保障の議論をすること自体、ナンセンスと言わざるを得ません。


英国と日本とは小さな島国で、似たような条件にあると思います。やはり、英国に学ぶべきところはたくさんあるのではないでしょうか。
とにかく、もっとしっかりしろよ!自戒をこめて。