2010-01-01から1年間の記事一覧

家について

世間では市川海老臓さんの事件が話題になっていますが、私は事件そのものよりも、TVでちらと映った海老臓さんの自宅の方が気になっています。一言で言ってしまえば、これが歌舞伎の名門の御曹司が住む家かということです。なんとも場違いな感じのドーマー窓…

図書館

今年、二つの図書館建築が話題になりました。久しく図書館建築が話題になることがなかったので、珍しいなという思いと、私自身が図書館建築に対して、今ひとつ納得がいかないところがあるため、ちょっと関心を持ちました。 二つの図書館のひとつは、多摩美術…

安藤さん

一週間ほど前、安藤忠雄さんが深夜のニュース番組に出演していらっしゃいました。ちょっとやつれたようなご様子でしたが、あの独特な声は以前と同じように力強く安心しました。 私が建築を学び始めた頃、建築界のスターは磯崎新さんでした。その次に現れたス…

源氏物語絵巻

先日、五島美術館で国宝の「源氏物語絵巻」を見てきました。徳川美術館とのコラボで、五島美術館改修前の最後の展示になります。ちょうど良い時に行ったようで、休日にもかかわらず、ゆっくりと見ることができました。その後、新聞などでも紹介されていたの…

RESPECT

小田原城の樹木の伐採について書いたところ、たくさんのアクセスがありました。それとは直接関係ないのですが、ひとつ思い出したことがあります。 7、8年前でしょうか、関西の小都市でひとつの設計コンペがありました。その都市に居を構え、そこを中心に活…

小田原城址の樹木伐採

先日、樹木について書いたとたん、翌日のTVで小田原城址の樹木を伐採するという話題が放送されました。小田原城址の樹木300本あまりを市が伐採しようとしているのに対して、市民が反対しているというものでした。私は、前回にも書いたように樹木の伐採には基…

植物の力

我が家の近くに、最近ひとつの建物ができました。4,5階建ての鉄筋コンクリートの建物で、1,2階は店舗、3階以上が住宅になっています。建物ができた当初は、パッとしないつまらない建物だなあという印象でした。 ところが、ある時一本の木が建物の正面に…

五島美術館

先日、五島美術館に茶道具の展示を見に行きました。先月も同じ展示を見に行っているのですが、一部展示替えになったので再度訪れました。五島美術館は我家から近いのですが、先月が初めてでした。 五島美術館は上野毛の閑静な高級住宅街の中にあります。吉田…

スーパー免震

ちょっと前ですが、スーパー免震と呼ばれる免震装置を紹介するTV番組がありました。垂直に立てた鉛筆が震度5程度の揺れでも倒れないというものです。番組自体はこの装置の開発者を紹介するもので、開発者は大林組のエンジニアです。この装置は新しい大林…

便利の問題

先日、用事があって朝の通勤ラッシュの大井町線の急行に乗りました。ものすごい混み様にびっくりしました。以前はこんなに混んでいなかったように思うのですが。大井町線が溝の口まで延長し、南武線と接続したため、大井町経由で品川や丸の内方面に行く通勤…

長期優良住宅モデルの倒壊

以前、長期優良住宅の耐震基準に合わせて作られた、木造3階建ての住宅モデルが耐震実験で倒壊したことについて書きました。この時は、比較のために同時に揺すった、長期優良住宅の耐震基準を満たしていない同形の住宅モデルが倒壊しなかったため、大きな話…

明石小学校の解体

以前、明石小学校の建替えについて書きましたが、すでに解体工事が始まっているようです。解体の理由は建物の老朽化ということのようです。やはり、構造上もたないということでしょう。ですので、解体も致し方ないところだと思います。 耐震補強もしてあると…

建築家の自邸

2回続けて清家清邸、白井晟一邸と建築家の自邸について書きましたが、それ以外にも有名な建築家の自邸があります。清家邸のところで触れた菊竹清則さんの「スカイハウス」、増沢洵さんの「9坪ハウス」、東孝光さんの「塔の家」、前川國男さん、丹下健三さ…

白井晟一・虎白庵

清家清さんの自邸について書きましたが、もうひとつ建築家の自邸について書かなければなりません。 先日、白井晟一さんの自邸「虎白庵」が取り壊されたという記事を読みました。もうすでに春先には取り壊されてしまい、3月に見学会があったようです。以前「…

清家清・自邸

先日、TV番組で清家清さんの自邸についてやっていました。清家清さんを、ネスカフェの「違いが分かる」というCMでご記憶の方もいらっしゃると思います。私も数回お会いしたことがありますが、飄々とした感じで、いつも笑顔を絶やさず、ゆったりとしたオーラ…

映画を見て

久しぶりにフランス映画を見ました。昔はフランス映画やイタリア映画をよく見ましたが、最近はほとんど見る機会がありませんでした。見たのは「シャネルとストラビンスキー」という映画で、あまりヒットしなかった映画のようです。 映画のテーマ自体は、昔か…

明石小学校の建替え問題

先日、中央区の明石小学校の建替えに関するTV番組を見ました。その前に新聞でも紹介されていたと思います。明石小学校を建替えのため取り壊そうとしている中央区と、保存を望む地域住民との間での対立があります。 明石小学校は、関東大震災後の復興事業とし…

デザインとは

先にアート(芸術)という概念について否定的に書きましたが、デザインについても書いてみたいと思います。デザインとは、語源をきちんと調べたわけではありませんが、字義的には、物を形あるものとして現実的に存在させることだと思います。聖書の天地創造…

美術館てなんだ

まず、この間の根津美術館についての記述を読んで、この建物に否定的なのではないかという指摘がありました。それは誤解です。この建物自体については、高く評価しています。ですので、あのようにいろいろ書けたのです。評価できない建物に対しては、何も書…

根津美術館

先日、隈研吾さんの設計によって、新装成った根津美術館に行ってきました。実は、根津美術館に行くのはこれが初めてです。昔の建物が建っていた頃、その前を何度か通ったことはあるのですが、中に入るのはこれが初めてです。 表参道の端から、六本木ヒルズの…

ブルーノ・タウト(つづき-2)

ブルーノ・タウトについて考えていた時に、もうひとつ興味深いことを思い出しました。それは、なぜブルーノ・タウトが桂離宮を賞賛し、日光東照宮を酷評したかということに関係します。 大学で近代建築史を学ぶ中で、近代建築がどこから始まるのか、近代建築…

マンションの構造

最近、マンションを購入しようと思うのだが、構造が心配だというような声をよく聞きます。その多くが構造に対する基本的な知識がないことから来る不安のようです。そこで、マンションの構造について基本的なことを書いてみようと思います。 マンションで使わ…

ブルーノ・タウト(つづき)

ブルーノ・タウトはナチス・ドイツから亡命し、日本にやってくるのですが、そのあたりの事情がよく分からなかったので、少し(本当に少しだけ)調べてみました。するとちょっと興味深いことが出てきました。 まず、なぜナチス・ドイツから亡命するのかと言う…

ブルーノ・タウト

ブルーノ・タウトという建築家を御存知でしょうか。今では建築に携わる者でもこの名を聞いたことがない人が多くいるのではないでしょうか。私達が学生の時も同じような感じだったかもしれません。 すごい建築家だったのかというと、そうでもないような、そう…

フローリング

いつからでしょうか、若い女性がマンションを選ぶときの条件として、床はフローリングと言い出したのは。それ以後、戸建住宅でも床はフローリングが定番のようになってしまいました。しかしそこにはあまり語られることのない大きな問題があります。 フローリ…

天井

住まいを考える時、壁や床については誰もが検討しますが、天井のことを考える人は少ないのではないでしょうか。屋根イコール天井と思っている人も多いのではないですか。屋根と天井は違います。最近、ある人と天井について話す機会があったので、今日は天井…

防犯対策

最近、住宅の設計でも防犯対策がひとつのポイントになってきました。長期優良住宅の判定基準の中にも防犯についての項目があります。 住宅以外の建物ではすでに防犯対策は、セキュリティ・レベルの設定という形で設計上の重要事項になっています。ただし、実…

古建築

奈良平城京遷都1300年ということで、平城京の大極殿が復元され、唐招提寺の金堂の解体修理も終わりました。どちらも伝統建築の技法に現代の技術を加えています。大極殿はなんと免震構造になっています。 これとは直接関係ないのですが、少し前から伝統建築の…

上海万博

上海万博が始まりました。万博自体、すでに過去のものだと思っていたのですが、これまでで最多の国が参加して開催されるということで、少々驚いてもいます。あまり興味も無く、メディアでもあまり詳しく報じられていないので、よくは知らないのですが、得ら…

吉屋信子邸

この連休中、鎌倉にある小説家・吉屋信子さんの家が公開されているというので、見に行ってきました。家の写真は以前見たことがあるのですが、肝心の吉屋さんの文章は、一度も読んだことがなく、それでは失礼に当たると思い、短編を2篇ほど読んで出かけまし…