F1が始まった

先週からF1が始まりました。前代未聞の大レギュレーション変更で、全車リタイアの可能性もあると言われていたのですが、多くの車が完走しひとまずはよかったですね。ただ、去年までのF1サウンドが聞けなくなったのはがっかりです。興奮度が全く違う。
V6ターボエンジンになったため、低音の軽いエンジン音になってしまい、去年までのキーンという高いエンジン音が聞けなくなってしまいました。その代わり回生エネルギーシステムのキュインという聞きなれない音が時々混じったりして、何かF1でないような感じなのだな。
街中で聞くと、軽やかで軽快な感じでいい音だと思うのだけれど、やはり迫力がなくて、力強さを感じないなあ。ダウンフォースが小さくなったため、走り自体も滑っているような感じになってしまったし、全てが軽々しくなってしまったようで、複雑な気持ちです。
以前、鈴鹿でF1を見た時、スタート直後に全車が第一コーナーに突っ込んで来てフルブレーキングすると、ドドドドと地響きがしてくるのですね。これがF1の迫力だと感じました。ただ速く走るだけの車ではないのですよ。
F1に復帰した小林可夢偉選手は、スタート直後の1コーナーでクラッシュしてしまいました。原因は、新しく導入された回生エネルギーシステムの故障で、後輪のブレーキが作動しなかったためだということです。これは問題だな。
ブレーキシステムと回生エネルギーシステムとではブレーキシステムが優先しなければならないはずで、回生エネルギーシステムの故障がブレーキシステムに影響を与えてはいけないのです。このような事故が発生するということは、理論的にも機構的のも間違っているということです。まあ、F1は実験場でもあるわけで、このような欠陥も改良されて行くのだとは思います。


F1というと、いい車に乗れないドライバーは勝てない、結局マシンで勝負が決まってしまうなどと言う人達がいるのだけれど、確かにそうですが、重要なことを忘れているにではないですか。そのマシンを作っているのも人間なんです。
ドライバーだけが戦っているのではないのです。一台のマシンに乗るドライバーは一人ですが、そのマシンを作るのには数百人の人間が関わっているのです。その人達を含めてF1というスポーツが成立しているのです。
私はラグビーやサッカーと言ったチームスポーツが好きなのですが、F1もそれらとは違った形のチームスポーツなのです。スポーツと無縁なような人達がたくさん参加して、最先端の科学やテクノロジーを駆使して戦っているのです。こんな面白いスポーツはないと思うなあ。


初戦はメルセデスニコ・ロズベルグが勝利しました。戦前からメルセデスの好調さが伝えられていましたので、順当な勝利と言えるのかもしれませんが、同じメルセデスルイス・ハミルトンはリタイヤしてしまいました。
二位に入ったのは、違反があって失格になってしまいましたが、レッドブルダニエル・リカルドでした。不調だと言われていたルノーエンジンです。ただし、去年のチャンピオン、レッドブルセバスチャン・ベッテルは予選からエンジンが全くダメで、結局リタイアしてしまいました。
三位はマクラーレンのルーキー、ケビン・マグヌッセンがデビュー戦表彰台という快挙を成し遂げました。マクラーレンジェンソン・バトンも四位に入りましたから、現時点では最も安定していると言えるのではないでしょうか。次戦からはコンマ5秒速くなると言っているので、今のところ一番速いかもしれません。
とにかく初戦の結果を見ても、これからどうなってゆくのか、楽しみではありますね、結局、このエンジン音にも慣れてしまうのかなあ。