新宿西口広場

新宿の西口広場で改修工事が行われています。タイル貼りの床を石貼りに変更するのが主な工事のようです。工事自体は以前から続いていて、1年以上になるのではないでしょうか。新宿西口広場は広場とは言うものの、実際は巨大な通路です。一日中膨大な数の人々が行き交う場所で、全面的に通行止めをして工事をするわけには行かず、部分的に閉鎖をしては工事をするの繰り返しで、延々といろいろな場所で工事が行われてきました。
この工事で改修された場所を歩いていて気がついたことがあります。それは床面に高低差のある所がいくつもあり、床がスロープ状になっている場所がかなりあるということです。部分的にはかなり勾配のきついところもあります。タイル貼りのときはあまり気付かなかったのですが、石貼りになって特に気になるようになりました。もともとあった勾配が石貼りになったためにより感じられるようになったのか、工事によって今までなかった高低差が生じたり、より勾配がきつくなったりしたのかはわかりません。新宿西口広場は地下にあります。地上部分ならば地形に合わせて高低ができることは当然ですが、地下にある人工的な場所にこのように多くの高低があることに驚きました。いろいろ事情があるのでしょうが。
新宿西口広場は、1960年代後半にフォークゲリラと呼ばれるベトナム戦争に反対するフォーク集会が毎日開かれた場所です。西口広場が唯一広場であった時でもあります。このとき、新宿西口広場は広場ではなく通路であるということで、集会が機動隊によって排除されました。このとき以来ここは巨大な通路です。ここの床はタイルで円をモチーフとした独特な模様が描かれていました。それが床の改修でなくなってしまいました。当時の名残も一掃されてしまったようで、少しさびしい気もします。