植物の力

少し前の深夜のTV番組に、プラントハンターと称する人が出ていて、ちょっと興味をひかれました。
確かプラントハンターというのは、19世紀末から20世紀の初頭にかけて、ヨーロッパ中に植物園ができ、そこに展示するために世界中から珍しい植物を探し出し、それを採集するために世界の隅々まで派遣された人達ですよね。
特に英国では、ロンドン万博のためにつくられたクリスタルパレスという巨大な温室を満たすため、多くのプラントハンターが活躍したということです。ヨーロッパで巨万の富を築いたスパイス貿易にも、プラントハンターが関わっていたということです。
そこには子供の頃に読んだ冒険物語に通じるようなワクワク感やロマンを感じるのです。そのプラントハンターが今も存在しているとは。。。
番組内で、このプラントハンターと称する人がこのようなことを言っていました。「インテリアや家具に凝ってみても、最終的には植物に行きつく」と。それを聞いていて、確かにそうだなあと頷いてしまいました。やはり植物には特別な力があるのですよ。
最近、我が家の近くに新しい戸建住宅だできました。いわゆるハウスメーカーの何の変哲もないものなので、どちらかというと嫌な感じだったのですが、ある日そこに植栽が施されると、とてもよい景色になったのですよ。その時、植物の力を再確認しました。
多くの自治体で、建物を建てる時に一定量の植栽が義務付けられるようになりました。特に都市部ではヒートアイランド現象の緩和は急務です。環境保全の意味もあります。しかし、植物が人の意識や精神に及ぼす影響のもつ意義の方が大きいような気がします。緑を見ながらすごす日常の重要性を感じるのです。


建物を計画する時、敷地にどのように建物を配置するかをまず検討するのですが、どこに植栽を施すか、どこに木を植えるか、それを最初に考えるというやり方があってもいいのではないでしょうか。まず植物の位置を決め、空いたところに建物を建てる、そういう発想もアリだと思うのです。