知らなかった

最近私は、本当は何も分かっていなかったんだと思うことがよくあるのですね。同時に、私だけではなく、ほとんどの人がわかっていないのではないのか、と思うこともたくさんあるのです。
以前からTwitterFacebookのアカウントは持っていたのだが、あまり積極的ではなかったのです。ところが急に思い立って、まとめて何人かをフォローしたのですよ。そしたら、ホリエモンこと堀江貴文さんが仮釈放で出所したというツイートがあり、それを見て直ちに堀江さんをフォローしました。すると、出所直後からものすごい量のツイートをしているのですね。次の日には北海道にロケットの発射実験に出かけたり、「この人スゴイ」というのが正直な感想でした。
堀江さんたちのツイートをフォローしていると、「今ITの世界はこんなことになっていたのか」と驚きました。知らなかった。ニコ動、ニコ生、ニコ生会議、凄いことになっている。既製のマスメディアなど必要ないんじゃないかと思うくらいです。まあ、「報道の自由度」が55位に急落した国のマスメディアなど、信用に値しないということでもあるし。
確かに、TVのニュースは海外のもの以外ほとんど見なくなりました。新聞もインタビュー記事などを除いて、ほとんど読まなくなりました。必要ないから。先日発生したボストンの爆破事件では、容疑者と警官隊の銃撃戦が発生した時、リアルタイムでTwitterに動画付きのツイートが送られて来ていました。臨場感もすごい。規制のマスメディアなど、この点に関しては全く役に立たない。それにネットにはいろいろな意見があるので、いろいろな見方も参考になるし。


世間では円安が進み、株価が上がったと大騒ぎしていますが、私はアベノミックスに少々懐疑的ですね。アベノミックスを推進している経済学者は、本当にわかっているのだろうか、疑問なのです。経済学者って、経済の実態がきちんとわかっていないような気がするのですよ。研究室内でデータを見ているだけでは、実態を見ていることにはならないでしょう。もちろん私は経済については全くの素人なのですが、何か間違っているんじゃないかという、ぼんやりとした疑念があるのです。今は気分的に浮かれていますけれども。
そもそもわが国は本当にデフレだったのだろうか。デフレスパイラルというが、なんか違う気がするのですね。物価が低い、そくデフレとはならないような気がするのです。ユニクロは低価格ですが、デフレじゃないですよね。社長の柳井さんは世界の長者番付で日本人トップですし。物価が低いのは、円高で多くを輸入に頼っている我が国の物価が抑えられてきたからなのではないのか。もしそうだとしたら、現在の円安政策には危険があると思うのですね。不況の原因を簡単にデフレに求めるのは安易な考えではないだろうか。
雇用を増やすといっても、人を雇うのは民間の企業であり、政府ではないわけです。給料を上げるといっても、政府が給料を払うわけではないですし。企業が社員の給料を上げたとしても、働いている人の4割くらいが非正規なわけで、このような人たちの給料が上がるとは思えないですね。アルバイトの時給がちょっと上がったらしいですが、物価の上昇には追いつくはずがありません。
円安で輸出企業の業績がアップするというが、現在そんなにたくさん輸出企業があるのだろうか。少なくとも大きな企業は海外に工場を移転してしまっているわけで、その場合、円安は逆に不利になってしまうはずです。外食産業などは円安でかなりピンチになっているようです。そもそも我が国は輸出立国だったのだろうか。かつては確かにそうでした。しかし、現在はそうでないのではないか。なんかずれてる気がするなあ。
先の堀江さんのツイートでちょっとした論争がありました。会社のロゴをデザイナーに発注したところ50万円請求され、それを払うの払わないのというところから始まったのですが、最終的に、ネットを使えばベトナムあたりで5千円でやってくれるよということで終わりました。そうなんですよ。スキルが同じならば、皆ベトナムに5千円で頼みますよね。要するに、グローバル経済というのはこういうことなんですよ。
私の妻がiPhone4を5に替えた時、それまで愛用していたスペイン製の革ケースが使えなくなったので、同じメーカーのiPhone5用の革ケースを購入しようと、Amazon楽天を探したのですが、どこも扱っていなかったのですね。そこで、いっそのこと直接そのメーカーにアクセスしたらいいのではないかと思い、メーカーのHPを探したら、なんと不完全ながら日本語のページもあるじゃないですか。簡単にほしいものを購入することが出来ました。そういう時代なんですよ、今は。
堀江さんも言っていますが、グローバル経済なんて特別なことでもなんでもないことなのですよ。ネットにつなげば、そのまま世界中とつながってしまうのです。スマートフォンなどで、一日に何度もネットに接続する、それがいまは普通になっています。その度に世界とつながっているわけです。でも、多くの人たちがそれに気づいていないのですね。グローバルってそういうことなのに。
一方、世間ではこういう時代だから英語ができないと、ということになっているのだけれど、ネットでやり取りする限り、そんなことはどうでもいいのですよ。今はまだ完全ではないですが、近い将来、翻訳ソフトがこの問題を解決してくれるはずです。英語だけではなくあらゆる言語でそれが可能になると思います。言語の壁がなくなるわけです。そうなれば本当にグローバルですね。
英語が必要になるのは直接コミュニケーションをとる、すなわち英会話ですね。ところが大学入試や就職試験ではTOEFLTOEICを必須にしようとしているのです。TOEFLTOEICでどんなに高得点をとっても、英語をしゃべれるわけではないのにね。結局、いい加減というか、安易というのか、どこかの権威に寄りかかるというか、ほんとに呆れる。この国がダメだったのは、やはりデフレだったからではないと思うな。
最近話題になっているものに、3Dプリンターがあります。米国では、拳銃を3Dプリンターで作成できるサイトができて、大きな問題になっています。英国の建築家ノーマン・フォスターは、月面で3Dプリンターを使って建物を作ろうというプロジェクトを進めています。F1のパーツなどはすでに3Dプリンターで作られていたりします。3Dプリンター自体は何十年も前からあったのですが、一般の実用にはほど遠い特殊な道具でした。ところが最近は個人でも所有できるような身近なものになって来たのです。
ちょっと前に3Dプリンターの国際的な見本市のようなものが開かれ、世界中からの出展があったのですが、我が国からは一つもなかったのですよ。米国の大学生まで出展していたというのに。なぜ我が国の経済がダメなのかこれでわかるでしょ。政府は3Dプリンターを成長戦略の一つに位置づけるというのだが、手遅れだな。やってる人達は、何十年も前からやっているのだから。3Dモデリングがでてきた時点で、すでにスタートしているのですよ。



録音された自分の声を初めて聞いた時、誰もが不快に感じるのではないでしょうか。「これが自分の声か」と。しばらく鏡を見ていないで、急に何かに写った自分の顔を見て、「これは誰だ」とびっくりした経験を持つ人もいるのではないでしょうか。結局自分のことを一番わかっていないのは自分自身なのですよ。他人がどう思っているかなど、もちろんわからないですし。それは組織や党派や国も同じなのだと思う。日中、日韓、日米だからこじれる。
一番分かっていないのは自分自身だということを、肝に命じるべきだな。